バス釣りをする人はもちろん、外来種としても有名なブラックバス。
その世界記録は原産国のアメリカではなく、日本で釣られたことはご存知でしょうか。
今回は驚異の10キロ越え、ブラックバスの世界記録についてご紹介します。
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世界記録のブラックバスは琵琶湖で釣られた
ブラックバスの世界記録はここ日本、国内最大の湖で有名な琵琶湖でキャッチされています。2009年7月2日、栗田学さんにより琵琶湖大橋の付近で釣りあげられました。
サイズはなんと70cm越えの73.5cm、体重は10.12㎏で生後半年の赤ちゃん位の大きさです。釣り人それぞれの感覚にもよりますが、大体50cmを超えてくると「大物」と言っています。
最近僕の釣った53cmのブラックバスは4㎏に満たなかったので、これがどれくらい大きいのかよく分かりますね。
世界記録を取ったのはブルーギルの泳がせ釣り
ブルーギルが釣れた時、デカバスがブルーギルに飛びついてきたことってありますよね?釣り人あるあるだと思うのですが、世界記録はそのブルーギルで釣りあげられました。
大型のブラックバスはブルーギルを捕食することも多く、ブルーギルのアタリを放置しているとデカバスに変わってるなんていうのは琵琶湖あるあるですね。
餌なら簡単に釣れるんじゃないか?と思われるかもしれませんが、実際大型のバスは釣れます。しかしながら、世界記録のバスを選んで釣れるわけではありません。
世界中でワールドレコードを狙っている人たちが居る中、85年ぶりに記録が更新されたのです。
海外では餌で釣る人も多く、これを考えるとどれだけ凄いことなのか分かります。
続々とあがる巨大バス 琵琶湖で進む巨大化
琵琶湖では現在でもナナマル、所謂70cmオーバーのブラックバスがあがっています。写真は2018年4月21日に釣りあげられた5㎏オーバーの70cmジャストのバス。
日本でバス釣りをする人ならば一度は行ってみたいと憧れる琵琶湖。
なぜこれ程までに大型のブラックバスが釣れるのか、それは琵琶湖の環境がバスの生育に適したものだからです。
豊富な酸素と豊富な餌がバスを育てる
夏場のバスの低活性は水温上昇による酸欠が原因の一つだと言われています。
涼しい影でじっとしていたり、酸素が他よりも豊富で水温の低い流れ込みで釣れるのもそれが理由です。
変温動物の魚は夏場が一番代謝が良く、夏場に多く餌を取れれば大きく育つという説があります。
原因は「酸素」にあるのではないでしょうか。
水温が高いほど魚の代謝は上がるわけですが、水中の溶存酸素量は逆にどんどん低下していきます。
ですから代謝は高くても、酸欠状態になって活性が下がるというのが夏のタフコンディションの正体だと思っています。
しかし夏の琵琶湖(特に南湖)には、日陰と酸素を提供してくれる豊富なウィードが山盛り。
これが夏場のバスの活性を高い状態に維持し、多くの餌が摂れるようになる事で成長スピードを早めているのではないでしょうか。
引用元::[奇跡の湖] 琵琶湖のバスが巨大化した理由 | ◆ DeeeP STREAM ◆
引用にもあるように、現在の琵琶湖の環境は大きなブラックバスが育つには最適な状態になっているということです。
このブログには1994年の大渇水後にウィード(水藻)が増えてきたとあり、それ以降の2000年代から巨大なバスの情報が増え始めたとのこと。
グランダー武蔵のアニメが放映されていた1996年、バス釣りブームで沢山の人がブラックバスを狙っていましたが、釣り雑誌に60cm以上のブラックバスが載ることは多くありません。
当時は本当に限られた人だけが60cmを釣り、本当に特別な魚という印象でしたが、今では「琵琶湖で60オーバー」と聞いても本当に珍しくなくなりました。
巨大化最大の理由はフロリダバスとの混血
日本に生息するバスには3種類居ることはご存知でしょうか。
- ラージマウスバス
- フロリダバス
- スモールマウスバス
日本に多く分布しているのはラージマウスバスで、その他は日本で釣れる場所は多くありません。
この3匹の中でもフロリダバスは最も大型になる種で、琵琶湖のバスはこのフロリダバスとの混血が確認されています。
2000年代前半になると、日本最大の湖である琵琶湖において湖内の多くの地点のバスからフロリダバスの遺伝子(アイソザイム系)が頻繁に検出された (Yokogawa et al, 2005)。さらにミトコンドリアDNAの分析によってもそれが裏付けられた
このように大きく成長する遺伝子を持ったブラックバスと、それを大きくする環境が揃っているのが現在の琵琶湖という事です。
野池や河川で釣れる60cmはかなり珍しく、こうした混血のバスではないから「成長に限界がある」のではないでしょうか。
生育環境から見ても、琵琶湖のような奇跡的にマッチするような場所は多くないと思います。
釣り人としては複雑な心境
このような現象が自然に発生することはあり得ず、明らかに人為的なフロリダバスの大規模放流が行なわれたものと推定される。
交雑によってオオクチバスあるいはフロリダバスの遺伝子が選択的に残存するメカニズムがないとすれば、侵入したフロリダバスは従来生息していたオオクチバスに匹敵する数量であったと推定される。
琵琶湖は日本国内屈指のビッグバスが釣れることで有名です。
かく言う僕も何度も行って、大きなバスを釣って楽しい思いをさせてもらいました。しかし、引用を見て分かる通り、フロリダバスの放流があったことが明白です。
今とは時勢が違うとはいえ、外来種と知りながら放流した人が居る。
けど、そういう人たちが日本中に居たから今もバス釣りを楽しめているという訳です。
自分が好きな釣りだけど、少し複雑な気持ちになります。
ただでさえ肩身が狭い釣りなのに昔からずっとあるマナー問題。
せめてこれ以上生息域を広めない、個人のゴミは持ち帰る、これくらい当たり前にできないと日本でバス釣りはできなくなるんじゃないかなって思いました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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